周防医院

下松市 内科 周防医院 (経鼻内視鏡,禁煙外来,特定健診,企業健診,心エコー)

〒744-0014 山口県下松市中市二丁目10-8
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心エコー

心エコーとは

プローブを胸部にあて、そこから反射されたものを画像に写します。

検査のさいは上半身裸になり左側臥位でベッドに寝ていただきます。検査時間は20分程度かかります。
ゼリーを塗ったプローブを胸の上に当てますが、特に痛みはなく、超音波自体は身体に害はありませんので、安全で負担の少ない検査です。

検査内容は、心臓の大きさや形態、動きを観察し、心臓が正常に働いているかどうかを検査していきます。
また、心臓の弁の動きや形態、血流の流れを観察し、逆流や狭窄がないかも検査していきます。

 

心エコーでわかる病気

心臓弁膜症
心臓の弁には、大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、肺動脈弁という4つの弁膜がありますが、
それぞれの動きや逆流、狭窄の程度を見て、弁膜症の有無と重症度を診断することができます。
心筋症

心臓の内腔の広さや壁の厚みを計測することで、
拡張型心筋症や肥大型心筋症などの診断をすることができます。

心肥大

高血圧症や大動脈弁狭窄症の方は心臓の壁が厚くなる、心肥大という現象を引き起こすことがあります。
心臓の壁の性状や厚みから診断できます。

先天性心疾患
生まれつきの病気で、心房中隔欠損症、心室中隔欠損症という心臓の壁に穴があいている病気があります。
超音波で心臓の形態を観察し、異常な血流がないかどうか見ることでこれらの病気を診断できます。
心筋梗塞
心臓の壁の動きを見て、心筋梗塞を起こしたかどうか判断することができます。
しかし、この検査だけでは不十分なことがあります。
狭心症
高度狭窄がある場合は完全に詰まっていなくても心臓の動きがすでに悪くなっていることがあります。
しかし、この検査だけで診断することは通常は困難です。
心不全

それぞれの心臓疾患が悪化し、心臓のポンプ機能が失調した状態を心不全といいます。
心臓の全体的な収縮性、拡張性、肺高血圧がないかどうかを見て、診断します。

心筋炎、心膜炎

心臓の壁が厚くなったり、動きが低下することがあります。
また、心膜液が貯留し、心臓の動きを妨げることがあります。

心臓腫瘍
左心房や右心房に粘液種という良性の腫瘍ができることがあります。
稀に悪性腫瘍や転移性の腫瘍が見つかることもあります。
心臓内血栓
慢性心房細動などの不整脈をお持ちの方は、左心房に血栓ができやすくなり、脳梗塞の原因となることがあります。
より詳しくは、経食道心エコーが必要な場合があります。
感染性心内膜炎
心臓弁膜症や人工弁の方、免疫不全の方に多くみられる病気で、血液を通して心臓弁膜や周囲組織に病原菌が感染することによって起こります。
弁膜に疣贅という菌塊が付着し、弁膜が破壊され、穴が開くなど、弁膜症が悪化することが多いです。

 

症状について

心臓弁膜症
軽症のうちは自覚症状がほとんどなく、聴診で心雑音を指摘されて発見されることが少なくありませんが、進行すると、動悸、息切れ、疲労感、全身(特に下肢)のむくみ、呼吸困難などの症状が現れます。
心筋症
倦怠感、息切れ、むくみなどの心不全症状、動悸、めまい、失神といった不整脈の症状、胸部不快感、胸痛などがありますが、このような症状は、心筋症以外の心臓病でも出現します。
心肥大
運動後の息切れ、疲れやすさ、全身倦怠感、顔や足のむくみなどの症状がでることがあります。
先天性心疾患
生下時に診断がついていることが多いですが、無症状で経過し、中高年になって指摘されることもあります。重症化するとチアノーゼ、不整脈、心不全が出現します。
心筋梗塞
みぞおちの辺りから胸の中心、左胸に痛みが現れることが多く、また背中やのど、下顎、腹部、左肩への放散痛と呼ばれる痛みや全身に冷汗がでることもあり、30分以上持続します。
体の中からわき出てくるような痛みで、押しつぶされたような圧迫感、内臓をしぼられたような痛みと表現はさまざまで、激しい胃痛と間違えられることも多い痛みです。
狭心症
主に労作時に出現し、胸の奥が痛い、胸がしめつけられる、焼けつく感じなどの症状がありますが、5分~10分の安静で一時的に消失します。
心不全
疲れやすい、顔や足がむくむ、歩くと息切れする、仰向けで寝ると呼吸が苦しいなどの症状があります。重症化すると喘息のような喘鳴をおこします。
心筋炎、心膜炎
心筋炎は、無症状の場合もありますが、多くはかぜ症状や消化器症状などを伴い、その1~2週間後に、胸痛、心不全症状、ショック、不整脈を呈します。
心膜炎は、発熱、胸痛、呼吸困難感などの症状を認めます。胸痛の性格は比較的特徴的で、とくに左側臥位で増強し、坐位での前屈みの姿勢では軽減します。それ以外では深呼吸、体動時などにも痛みは増強します。
心臓粘液腫
心臓粘液腫とは心臓にできる良性腫瘍です。心臓は拍動する臓器なので腫瘍はできにくいといわれていますが、それでも稀に悪性腫瘍や良性腫瘍がみられます。

悪性腫瘍としては心臓原発で最も多いのは血管肉腫、ついで横紋筋肉腫です。転移性としては肺からの転移、悪性リンパ腫などがあります。

良性腫瘍としては心臓粘液腫は比較的頻度の高いもので、75%は左心房内、18%は右心房内に発生し、多発することもあります。常染色体優性遺伝という遺伝形式で家族性に発生するものと遺伝に関係なく散発するものがあります。

どちらかといえば女性に多く、男女比は1:3、好発年齢は30-60歳代といわれています。

原因不明ですが、心房中隔の卵円窩という胎生期には開通していた卵円孔の閉じた跡から発生し、短い茎のついたポリープ状の形態を呈します。このため茎の部分は心臓に付着していますが、ポリープ状の部分が心臓内に浮遊することになるので、体位によっては呼吸困難などの症状が生じることがあります。

左心房と左心室の間にある僧帽弁を一部塞いでしまうことにより、僧帽弁狭窄症に似た症状を呈したり、放置すると血行動態を障害して心不全に至ります。また粘液腫はゼリー状でもろく壊れやすいため、一部がちぎれてとんでしまうこともあります。脳血管につまって脳塞栓症を起こし、失神発作をきたすこともあります。

無症状の場合も多く、心雑音や炎症所見から疑われることもありますが、実際には、心エコー検査を行って初めて分かることも多いです。心エコー以外では胸部CT、MRIなどで指摘されることもあります。部位や大きさにもよりますが、放置しておくと死に至ることもあるので、発見された場合は早急に治療が必要です。

治療としては、手術で取り除く以外にはありません。茎を残すと再発するので、体外循環を用いて中隔の一部を含めて全摘出を行います。家族性の場合は再発することもあり、手術摘出後の再発率は1-5%程度です。このため手術後も外来で定期的に心エコー検査をすることがあります。